いわて奥座敷の華街道と、忘れられたもう一つの災禍
今年のGWは昨年に引き続き、ウイルス禍の影響で旅行もできず、近隣を少し廻っただけで終わりました。
昨年は沢内~湯田方面に出かけたのですが、その際の投稿をまだ掲載していませんでしたので、掲載することとしました。
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昨年のGWの際の話で恐縮ですが、連休すべて家に籠もるのは納得できぬということで、県内でも人口密度の低そうな沢内村方面に向かって、人知れぬ花々を愛でに行くことにしました。
で、有名どころも問題なさそうならついでに・・と思って雫石川園地に立ち寄ったところ、一連の影響で駐車場は相応に空いており、三密とやらにはならずに済むということで、こっそり拝見してきました。
人それぞれの判断でしょうが、渋滞疲れと人混みの思い出ばかりの展勝地よりも、こちらの桜の方が私の好みに合っているような気がします。
できれば午前の早い時間に来たかったのですが、諸事情により毎度ながらの午後出発で、カメラ映えという点では少し残念です。
雫石園地が展勝地より優れている点は、すぐ隣に「奥御所湖(勝手に命名)の融雪に沈む新緑の大湿原の光景」や岩手山~秋田駒の大パノラマが広がるなど、「おまけ」が沢山ついてくるところだと思います。
その後、雫石の山道を抜けて町境を越え、最初の目的地である某カタクリ群生地に向かいました。
西和賀まつりの中止で入れないかな、と思っていたところ、突如、入口前に駐車する車両からアウトドアな方々が下りてきて駐車場のロープを外したので、驚いてお話を伺ったところ、視察に来た管理者の方で、少人数だけなら立入を認めることにしたとのことで、運良く見学できました。
というわけで一句。
寝坊して得るものもあり花街道
その後、メインの目的地である一本桜とカタクリ畑で有名な某所に到着したところ、やはり駐車場は閉鎖で、入口にはロープが張っていました。
といっても、周囲に誰もいない状況下で数台の車両が路駐しており、恐らく中に入っているんだろうな、どうせ敷地内も人もほとんどおらず、具体的な支障は何もないんだろうから、こちらも遠慮なく・・と思ったところ、突如、自粛警察に内通する副将の裏切りに遭い、やむなく断念。
後世には、「安ヶ平の変」と語り継がれることでしょう。
で、仕方なく南下したところ、弁天島近くに、どこまでも続くよの桜並木を見つけたので、今回はそれでよしとしました。
地元のささやかな名勝・弁天橋からは、マイナー名所巡りという今回の目的に相応しい、特徴的な奇岩が見えました。
次いで、ほど近くにある水芭蕉群生地に向かいました。水芭蕉は残念ながら終了していましたが、桜に慰めてもらいました。
そこから少し南下すると、小岩井の一本桜にも負けていない、町の天然記念物の美しいシダレザクラがありました。隣では地元の方々が楽しそうに集会をなさっており、羨ましく感じました。
その後、すぐ南にある「七ツ釜」というプチ名勝を目指したのですが、どこにあるのか分からないまま無念の通過。皆さんもマイナー-名所探訪の際は、地図等のご準備を忘れずに。
というわけで、せめて貯砂ダムに・・と思ったところ、入口には閉鎖中の文字が。ここも自粛かよ・・とウンザリして向かったところ、ウイルスではなく雪解け水に埋もれてました。
駐車場に戻ると、眼前には陽光を浴び、しずかでのどかな錦秋湖の春が広がっていました。
しかし、その足元(湖畔)には、膨大なプラスチックゴミが。
これらもいずれ、マイクロプラスチックなどの形で、ウイルスとは別に、我々に恐るべき災禍をもたらすことになると言われています。
世間は今、ウイルス禍で手一杯とは思いますが、つい先日まで、現代社会は、こうした問題に直面していることを盛んに議論し、今もその問題が続いていることにに変わりはない(持ち帰りの使い捨てプラ容器などが溢れ、深刻化するリスクすらある)のだということを、決して忘れてはいけません。
ともあれ、今回は雫石から西和賀町(沢内・湯田)にかけて、制約のもとで、ささやかな旅を敢行しましたが、このエリア(奥羽山脈のうち岩手県の中央部の東麓一帯)を指す言葉(地名)があるのか存じません。
鶯宿温泉などが「盛岡の奥座敷」と言われるのに倣い、このエリア(雫石~西和賀エリア)を暫定的に「いわて奥座敷」と命名することにしましたが、本来であれば地域固有の地名などを用いて、かつ、「雫石・西和賀地区」などという味気ない名称ではなく、粋で雅な言葉を使って形容していただければと思っています。