冬季事故渋滞の巣・住田町荷沢峠と改善策など~被災支援の地元弁護士の一コマ~
本日は法テラス気仙の相談担当日のため朝から大船渡に向かい、いつもどおり宮守ICから遠野の小友町経由で住田町の荷沢峠を下るルートをとりましたが、峠の下り坂に入って間もないところで突如、渋滞に遭いました。
この峠は冬季は凍結等によるスリップ事故の多発地帯で、震災に伴い大船渡や陸前高田の相談を担当するようになってから、この時期は何度も脇道に乗り上げた車両などを見かけています。
ですので、今回も恐らく同様と思われますが、事故で道路全体が塞がれてしまったのか延々と停車状態が続き、30分以上待っても動く気配がなく、どこで事故がおきたのか(現在の位置が渋滞の始点から何㎞地点なのか)も全く分からず、どれだけ待てば解消されるかも目処が立たなかったので、やむなくUターンし、宮守ICに戻って遠野IC→仙人峠道路入口→住田町という遠回りルートで大船渡に行きました。
そのため、ただでさえ盛岡・大船渡間で片道2時間を要するというのに、これに加えてトータルで2時間近くもロスし、午前中の相談予約の方は、やむなく午後に変更して対応いただきました(幸い、午後の予約が少なく、その点は助かりました)。
で、法テラス気仙に来てから事故情報が出ていないかネット検索したところ、今回の渋滞のニュースは見つけることができませんでしたが、その代わりに、過去の同じ時期に荷沢峠で生じた事故で渋滞被害に遭った沢山の方の怨嗟の声が見つかりました。
釜石道は、先般、遠野ICまで延伸されたものの、大船渡・陸前高田方面に向かう人にとっては、今後も荷沢峠方面が主要ルートであり続ける可能性が高いでしょうから、国道管理の関係者や「復興支援」としての道路対策を掲げている方々などにおかれては、事故渋滞対策を真剣に検討いただきたいものです。
さすがに、原資(税金)を考えると、釜石道から分岐した高規格道路というのは無理なのでしょうけど、峠の坂道のうち上りルートを登坂車線を含めて2車線化すれば、下り側の車両にとっても道幅が広くなり、事故渋滞のリスクはかなり減るのではと思われます。
ただ、事故そのものは撲滅困難でしょうし、道路の拡幅などもすぐにできることではないでしょうから、直ちにできる策として、この道路を通って気仙方面に向かう方(逆を含め)に、事故直後から事故による通行不能の情報を早急に伝えて別ルート(遠野IC廻り)を促す仕組みの強化が必要ではと感じます。
例えば、釜石道に事故情報を表示するなら今でもできることでしょうが、宮守ICと荷沢峠は片道20分程度は離れており、高速道路の管理者側の対応の問題なども含めれば、迅速な対応は難しいでしょうし、見落としの問題などもあり、対策としての実効性はあまりないと思います。
それよりは、事故渋滞などの情報が、なるべく事故直後の時点で、走行中の車両のカーナビ(や携帯電話)に警察や国道の管理事務所からダイレクトに送信され、画面にはっきりと表示されるような仕組みがあれば、とても有り難いように思います。
携帯電話であれば、すぐにできそうに思うのですが、まだそうしたサービスは提供されていないのでしょうか?或いは、信頼できる民間業者が情報提供の全般を担当しサービスの質などで行政と競争するとか、行政は情報の把握や公開だけを担当し、これを利用者に届けるサービスは民間が行うなどの仕組みもあってよいと思います。
とにかく、一定の時間までに目的地に着かなければならない長距離ドライバーの立場からすれば、「迂回路」が近くにはない山間部の国道の事故渋滞のような「分かった時点では進むも退くも地獄」という事態は非常に困りますので、渋滞地点に到着するよりも遥かに早い走行中の段階で事故渋滞の情報(復旧予定時刻に関する見通しなども含め)を提供いただき、他の迂回路を早めに選択できるよう、「ICT革命」を起こしていただきたいと願っています。
ちなみに、本日の法テラス気仙の相談内容は、「お子さんがいない高齢の方の相続のあり方が主たる課題であるもの」が多く寄せられ、現時点で相続が生じた場合の見通しのほか、お住まい(借地)の原状回復の問題や養子など、関連する様々な論点や選択肢を説明し、まずはご自身や承継者となりうる方と協議して、どのような相続などの形を望むのか(目的)をはっきりさせてください、現行法のどのような制度を利用できるかという話はその後のことですよ、と毎度ながら説明しました。
こうしたケースでは、兄弟姉妹も高齢のため、甥姪などに後事を託さざるを得ないものの、問題の所在や対処のあり方などについて認識の共有や協議がなされておらず、そうした方(事後対応のメイン人材)の同席がないことがとても残念と言わざるを得ないことが通例という現実があります。
いつも書いていることですが、福祉的なものや地域のつながりなども含め、高齢者の方のご相談は、お一人ではなく適切なつながりのある方とご一緒にお願いしたいと繰り返し述べざるを得ません。