平成30年の年頭のご挨拶

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年も交通事故や家庭、中小企業や個人の様々な法的問題の解決に関する業務が中心でしたが、2~3年かけて多くの関係者との間で複雑な利害調整と膨大な事務作業に追われた末にようやく解決・決着した印象深い事件も幾つかありました。

例えば、定年後に銀行から巨額の借入をして起業したものの収支が好転せず資金繰りが行き詰まる前に相談された方について、事業の停止による混乱を極力回避しつつ、銀行との長期の交渉により、無担保のままとなっていた自宅を処分せず存続させた上で、多額の債務免除を伴う解決を実現した事案(経営者保証ガイドラインによる債務整理)がありました。

また、震災復興に絡む巨額の補助金の不正利用が露見し全国を震撼させた「大雪りばぁねっと事件」の民事上の処理に関する主要事件に平成26年から携わり、3年かけて裁判上の和解により決着をつけたこともあります。

全ての事案で依頼主の希望する結果を勝ち得たとは言えないでしょうが、大半の事件では、主張立証を尽くした上で、裁判所の勧告をはじめ事案の性質に即した穏当な解決を了解いただいたのではないかと思います。

上記の自宅確保の例のように、交渉で望ましい成果を挙げることができた案件も相応にありますので、こうした経験を今後に生かすことができればと思います。

現在も、「高齢の方の財産管理や相続に絡んで家庭内に難しい問題があり信託による解決を模索せざるを得ない事案」をはじめ、幅広い検討と多様な関係者との折衝を要する事件のご依頼も多く、悪戦苦闘の日々を送らせていただいております。

開設から14年目を迎えた当事務所では今後も時代に適合する良質なリーガルサービスを提供すべく研鑽を重ねて参りますので、変わらぬご愛顧のほどお願い申し上げます。

皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。