水路や湖沼での転落事故と賠償問題

最近の判例時報で「飲酒酩酊した人がローソンの脇の側溝の水路に転落して死亡し、遺族が、水路を管理する自治体と水路脇の壁を管理するローソンに対し、水路や壁の設置管理の瑕疵等を理由に賠償請求したところ、自治体の責任は認めたものの8割の過失相殺をされ、ローソンへの請求は棄却された」という例が載っていました(富山地判H25.9.24判時2242-114)。

転落事故に関する国賠請求や工作物責任が問われた訴訟は多くの前例があり、解説には飲酒酩酊絡みでの歩行中の事故に関する前例などが紹介されています。

水路への転落ではありませんが、さきほど、秋田の八郎潟の水路でワカサギ釣りをしていた方が、氷が割れて湖水に転落したというニュースが出ていました。詳細は存じませんが、仮に、転落場所(水路)の管理者が、水面の状態などから転落等の危険があることを把握できたのに進入禁止など相当な措置を講じていなかったという事情でもあれば、国賠訴訟などに発展する可能性もあるかもしれません。

余談ながら、小学生の頃、丘の上の書道教室の帰りに凍結した沼(面積は学校のプール程度)に一人で入って遊んでいたところ、沼の中央で氷が割れて足下から沼に埋まり出られなくなったことがあります。幸い、30分~1時間ほどで救出され、事なきを得たのですが、水面が割れて氷の下に転落したという報道を目にすると、そのときのことを思い出さずにはいられないものがあります。

「自分は沼にも湖にも行かないよ」という方も、冒頭のような転落事故もありますので、お気を付け下さい。