わしの家の神の君
今を去ること十数年前、当家にも、天が神の君を授けて下さったのでございます。
光り輝く神の君、その大きなお姿は、狭いマンションには大層もったいなく、領民は日々、君を崇め奉り、間違っても「誰だ、こんなかさばるものを贈ってきたのは。出し入れ大変だし、物置の大半も占拠して」などという怨嗟の声は、微塵も上がることなど無かったのでございます。
ところが愚かなる領民どもは神の君への感謝を忘れ、君は岩戸にお隠れになる年が続き、天下は諍いが絶えず暗く悲しい有様となったのでございます。
すると、なんということでしょう。今年の大河で神の君が敵軍の的に・・・もとい、似たような鎧を纏って我々の前に現れたのでございます。
かくして、当家の神の君も長い年月を経て岩戸からお出ましになり、天下は再び太平に包まれることになったのでございます。
おしまい(オチなし)。
たぢから男より一言「重いのヤダ。やりたきゃ自分で物置から出して。」
(今回は、現在の大河ドラマを踏まえた戯言です)