三淵嘉子と中田正子の人生が描く、二つの「保守vsリベラル」の物語

私は「どんと晴れ」を最後に朝ドラからは引退したので、三淵嘉子氏をモデルとする現在の「虎に翼」も残念ながら全く拝見していないのですが、8年前、三淵氏と共に日本の女性法律家第一号となった中田正子弁護士(本来は前年に合格して唯一の第一号になったはずと言われる)について、朝ドラの主人公にしてはどうかと投稿したことがあります。
日本初の女性弁護士の知られざる物語と朝ドラ | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)

当時の司法史を書籍で学んだ者から見れば、今回のドラマ=三淵弁護士(裁判官)の物語でも、最高裁発足時のリベラル派と保守派の熾烈な権力闘争や、最終的に保守派の親玉となった石田和外長官(ドラマでもモデルが登場とのこと)による粛清(保守派の勝利と司法の閉塞?)そして「もう一つの道」(リベラル派の拠り所)としての家庭裁判所の発足・育成の物語などが描かれるのであろうと推察しています。

Web記事を拝見する限り、男女格差(不平等)がテーマとして強調されているようですが、根本的には(言葉の意味では日本以上に米国的な)保守派とリベラル派との対立があることは、鑑賞されている方々も念頭に置いて良いのではと思われます。

ちなみに、中田正子弁護士を主人公とするドラマ案では、若い頃に新渡戸稲造校長が登場するほか、民法学の泰斗・我妻榮博士も関わってくるので、主人公を巡る若き日の我妻榮と岸信介との三角関係?を発端とする「戦後保守と戦後リベラルの対決の物語」が画策されていたようです。

中田先生の朝ドラ化は当面難しいでしょうが、別な形での映像化を目指していただけばと思っています。