大船観音と円覚寺にて菩薩のご縁を祈願するの記
半年前の話で恐縮ですが、仕事で神奈川県に出張でき(日帰りですが)、折角の機会ということで前後の時間に近隣の寺院を見に行きました。年末年始にも鎌倉に日帰りで行きましたが、大河ドラマ効果?か、神奈川へのご縁が続いています。
マチ弁が鎌倉来たりてエセ歌人(前編) | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
まずは、東海道線からもよく見える大船観音にて、21年ぶりの機会を大観音に感謝しつつ更なる御利益を祈願して一首
大船に乗ったつもりで気がつけば 菩薩足りぬと南無阿弥陀仏
観音様というのは「世を観て」救う存在だそうですが、当方も社会の様々な問題の解決に関わりつつ、今なお修行僧というのが実情のようです。
幾とせも世を観て聞いて働けど なお苦しめと今も悶える
大船観音は、昭和初期に世相浄化と観音思想の普及を目的に着工されたものの、ほどなく中断され、大戦後の昭和30年代に再開・落慶され、戦没者の鎮魂と世界平和を祈って建立されたという経緯を辿ったようです。
ともあれ、観音像自体は、半身のみ地面から生えてきたような特異な容姿をしており、
戦災の涙を吸うた白筍が 平和願いて生え聳えたり
と形容するに相応しいのかもしれません。
***
その後、出張仕事を無事済ませ、北鎌倉の名刹に辿り着いて一句。
良き人に縁が来ればと円覚寺
国宝・円覚寺舎利殿は入口が閉じられ、普段は近づけないようです。全容を知りたい方は横浜市中心部の歴史博物館へどうぞ。
次に、北条時宗の廟所とされる佛日庵を訪ねました。円覚寺は、北条時宗が南宋の高僧・無学祖元を招聘し、創建した寺院です。
かつて外国の侵略から国を護った執権は、いま、同じ苦難に立ち向かう異国の人々に次のような一句を告げているかもしれません。
国難のときは気丈に胸を張り
敷地内には、夢窓疎石の作庭を今に伝えるのどかな光景なども広がっていました。
次世代に春を託して梅の花
・・・これが梅かどうかは私には分かりませんが(近くの建物で梅は咲き始めてました)
丘の上には国宝とされる梵鐘があり、表面には「国泰民安」なる碑文が刻まれているそうです。
「国民を二つに割るとはケシカラン。安泰を逆さまにしており、日本国民への呪詛だ!」などと言い出す人もいたりするのでしょうか?
(以下、次号)