岩手は東北の中でも「住みよさ」の劣る地域なのか?

東洋経済新報社が行っている全国の各自治体の「住みよさランキング」に関する記事が出ていましたが、北東北なかんずく岩手・盛岡の自治体の順位が南東北(ひいては全国)に比べて残念なものとなっているようです。
http://toyokeizai.net/articles/-/177362

あくまで同社の独自評価であり、同社が有意と考える特定の要素が重視されるなどのバイアスがあるのだと思いますし、素人感覚では東北でダントツ一位になって良いはずの仙台市が上位ランク内に入っておらず(前年(2016)のランキングも含め、かなりの下位のようです)、隣接する名取が1位になっているという奇妙さもあるなど、割り引いて考える必要がありそうな気はします。
http://toyokeizai.net/articles/-/123956

ともあれ、盛岡も長年住んでいれば、学童保育への公的支援が薄いとか(市が児童センターを優先し学童は敵視しているらしい?)、二戸(私の頃)と異なり中学校に給食制度(センター)がなく、仕事のある親(早朝労働)か子(がっかり弁当で、しかも付け合わせ禁止とのこと)のいずれかが泣く羽目になるとか、残念な話を聞くこともありますので、そのことも考慮されたのかもしれません。

よく見ると、北上に比べ、ほとんどの指標が上回っているのに「住居水準充実度」だけが突出して負けており、学童も「北上未満」の典型例らしいので、そうした事情が関係しているのかもしれません(住居水準充実度は、住居スペースや持ち家比率などを指すとのことで、福祉制度は関係ないのかもしれませんが)。

ただ、今のところ大型ダンプが行き交う階段ピラミッドの街という様相を呈している陸前高田が「快適度」全国19位になっているというのも違和感ありますが・・
http://toyokeizai.net/articles/-/177113?page=4

「富裕度」については、他地域に比べて残念な自治体ばかりの東北・北海道管内では健闘している数字ですが、それは県内の富を集める一部の方が市内におられるというだけの話で、この仕事をしていると残念な生活水準・状況の方も多数お見かけしますので、地域全体の住みよさにどれほど関係あるのやらという感じはあります。

私も震災以前にはワークライフバランスはさておき収入面だけは分不相応の額をいただいた恵まれた年がありましたが、今や遠い目で懐かしむほかありません。

数年前、盛岡市役所が「ブランド宣言」なるものをしたという話があり、最近はあまりそうした類の記事を見ることもありませんが(田舎の行政関係者の抽象的なナントカ宣言の類なら今も昔もありますが)、まずは、こうした統計も踏まえて他者と比較しつつ要改善のポイントを探る姿勢を示していただければと思います。

全データが掲載された書籍を拝見していませんが、ネット上の情報から察する限り、二戸など北岩手・東青森=旧糠部地域(私の出身エリア)が全く見当たらず残念に思う反面、ぜひ「おらほの町はAがなくともBがある。町になくとも俺にはある(今、これから生み出してみせる)」などと、各人が全国、世界に向けて独自の存在感を発揮していただければと思います。