広瀬めぐみ議員事件で求められる、自民党岩手県連の検証・説明責任

本日、広瀬もと参院議員が秘書給与の名目での国からの詐欺を理由に在宅起訴されたとの報道が出ていました。

過去の同種案件(山本譲司もと議員や辻元清美議員)に倣って今回も逮捕されるのではと思っていましたが、ここ数年の脱・人質司法の流れから、全面自白し客観証拠も十分確保し逃亡や証拠隠滅のおそれもないと判断した事案では、逮捕せず在宅のまま起訴する運用が進んでいるのでしょう(私も、フツーの刑事事件では相応に拝見していますし、翌日の報道で被害弁償済みと出ていましたので、現在の取扱では在宅となるのでしょう)。

昔は本人の言い分を確認する前に逮捕するような強行対応がとられていたのが、現在は、この種の事案(もともと社会的地位・信用があった方の財産犯)では客観証拠の確保で証拠固めができれば、本人が罪証隠滅や不合理な弁解等をしない限り(そのおそれが強く認められる場合でない限り)は身柄は取らない運用に変更されていると思われます。

先日は、広瀬氏の辞職に伴い10月に実施される参院補選について、自民県連が反省云々を理由に候補者擁立を断念したと報道されていました。

そうであれば(どうせ誰が出ようと立憲系の方が当選して終わりなら)無投票で当選された方が選挙経費=税金が無駄にならず良いのではと思いました。

が、有り難くない?ことに、聞いたことも岩手へのご縁も無い遠方出身の御仁が出馬表明をしたなどという記事もセットで出ていました(その日の岩手日報は下段を見てびっくりの、いわゆる東スポ構成)。

その後、他にも県議選への出馬経験のある方の立候補報道もあり、いずれにせよ選挙戦は必至のようです。

であれば、自公系も誰か「擁立する人を間違えてすいませんでした、今度こそ信頼できる人です」と叫んで連れてきた方が、当落はさておき広瀬氏に投票した県民への「けじめ」になるのでは、と思わないでもありません。

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ところで、最近の日報論壇やらFBなどでは、広瀬氏の説明責任を叫ぶ投稿を色々と拝見しますが、刑事訴追された広瀬氏に社会一般に向けてこれ以上の対応を求めるのは現実的ではありません。

それよりも、来たるべき総選挙を含む、今後の政治のあり方という観点からは、

広瀬氏を擁立した自民党岩手県連の説明責任

こそ、県民は求めるべきではないかと思います。

この点、いわゆる大企業や規模の大きい自治体などで深刻な不祥事が生じたときは、いわゆる第三者検証委員会が開催され、

・当該不祥事が生じた経過や原因、
・本人はもちろん他の関係者(監督責任者など)が何をすれば防止できたか(何をしなかったから防止できなかったのか)
・実効性ある再発防止策

などを調査・報告・提言するのが10年以上前から一般的になっていることは、皆さんもご承知のとおりです。

広瀬もと議員の事件も、ご本人自身の犯行云々もさることながら、彼女を取り巻く方々=擁立し議員活動を通じて関わりを持っていた自民党岩手県連の方々は、彼女の何を知り、何を知らなかったのか、「すべきなのにしなかった」ことがあるのか=不正を事前・早期に把握し、後戻りできなくなる前に是正させるなどということができたのか否か等について、第三者検証などを行った上で説明すべきことが、県民・国民との関係で、求められているのではとも思われます。

民間企業や自治体などが、こうした不祥事に対する検証責任を相応に果たしているのに、多額の政党助成金を受領している(はずの)自民党が同様の検証等を行わないというのであれば、それに対する県民等の評価がどうなるか、言うまでもないはずです。

裏返せば、そうした検証・説明責任を適切に果たし、実践に繋げることができれば、多少とも信頼の挽回ができ(或いは、その第一歩として受け止めて貰うことができ)、今後の総選挙などにおいても、何もしない場合に比べて、得票できるのではないかとも思います。

それは、重大な不祥事が生じた企業が、有識者や世間一般から高く評価されるような検証と報告を行うことで信頼を回復し、社会内で再び受け入れられていく光景に通じるものと言えるでしょう。

それと比べたら「誰も擁立しない≒何もしない(選挙せず寝てる?)のが自分達のけじめだ」などという言説は、あまりにも情けないことだと思いませんか?

私が所属する盛岡北RCには、次の総選挙に岩手1区から立候補の予定である米内紘正氏も昨年に入会されており、選挙も近いため最近はお会いできる機会はありませんが、私もご本人のお人柄を知る会員の1人として、米内さんにはぜひ国会の場で活躍いただければと思っています。

岩手1区には安定した得票基盤を確立されている階猛議員がおられ、現下の情勢で米内氏が勝つのは容易ではないでしょうし、私自身お二人とも国会で活躍いただければと思っていますが、そのためにも、自民党岩手県連の方々には人々の信頼を回復するため死に物狂いで努力する姿を見せていただければと願っています。

自民党員の方々はもちろん、私のようなノンポリ無党派に限らず野党側に投票することに決めている方も含め、

自民党岩手県連は、今回の件で検証・説明責任を果たすべきだ

との声をあげていただけれれば幸いです。

というわけで、最後に、夏季休暇にお邪魔した長野県大町市の仁科神明宮にちなんで一句。

検証を けじめにしなと神のこえ