暴力団排除条項と交通事故の被害者保護
交通事故の任意保険について、暴力団排除条項により、契約者が暴力団関係者と判明した場合には直ちに契約を解除する旨を約款に盛り込むとのニュースが出ていました。
http://www.asahi.com/articles/SEB201311180062.html
そのこと自体を批判するつもりは微塵もありませんが、契約解除後に事故を起こしたり、そもそも契約できないと思って任意保険そのものに加入しない車両が増え、結果として被害者への適切な賠償が実現できない事態になるようでは、本末転倒というほかありません。
私自身は自動車については対人原則無制限の保険加入を車両運転の条件として義務化すべきだと昔から思っています。
このようなニュースを見ると、なおのこと、義務化とワンセットでなければ、最も守られるべき事故被害者が、一番、酷い目に遭うことになるのではと危惧されます。
すぐに例が思いつかないものの、この種の問題(被害賠償の担保を確保しないまま排除だけを先行することの不合理)は、他にも暴力団関係者の行為により被害が生じるケースで、ありうる事態なのかもしれません(仮に、不法投棄に保険制度があれば、同様の問題が生じるでしょう)。
念のため「任意保険 義務化」で検索したところ、内閣府サイトでこんな記事が出ているのを見つけましたが、毎度ながら?木で鼻をくくったようなお役人さん的なご回答になっています。
ま、世論誘導したいとの意欲もないのだとは思いますが・・。
http://www8.cao.go.jp/monitor/answer/h14/ans1409-001.html