福田家三代の言葉たちと政治家にとっての他人事・自分事

福田康夫首相のことは忘れても「あなたと(は)違うんです」なら覚えている、という方は珍しくないかもしれません。

今回の福田総務会長の不用意?な「何が問題か分からない」発言を聞いた際、お父さんは記者会見で数々の名台詞を残し、「フフンの人」と揶揄されながらも世間に結構愛されていたことを思いだしました。

祖父の赳夫首相は宮沢首相と並んで戦後の秀才首相の双璧と言われている方ですが、この方も言葉の達人で、「人の命は地球より重い」など、多数の名言を歴史に残しています。

お孫さんは、自身が(安倍家と違って?)統一教会と公私とも関わりがないとか、俺達はそんな奴らに左右されるほどヤワじゃないと言いたかっただけなのかもしれませんが、言葉の使い方が悪くて、傲岸不遜な印象を与えてしまったように見えます。

冒頭の康夫首相の名ゼリフ?は、「他人事のように政治を語っている」との記者発言への反論として、自分は物事を客観的に見ているのだとの意図で発したそうですが、DNAを感じさせる面はあるのかもしれません。

小沢一郎氏は陸山会事件の公判で「自分の関心は天下国家のことだ(だから、こんな話に自分は関わりがない)」と述べたと報じられましたが、政治家の自負心が、かえって自分の足元を支えている人達・物事への無関心・無責任を印象づける面があり、その後の小沢氏勢力の退潮にも繋がるように見えました。

そういえば、康夫首相も官房長官時代、北朝鮮との国交樹立等?を優先させ、拉致被害者家族への対応が冷淡だったと批判されたことがありました。

福田家三代も、高い知的能力を有し自負心の強い一族だろうと拝察しますが、天下国家のことばかりでなく、あたかもその養分として吸い取られたかのように、政治に関わろうとする様々な周辺勢力(統一教会に限らず)の活動を通じて辛酸を嘗めるなどした庶民の思いも代弁できる言葉を紡いでいただければと思います。

赳夫首相ひいては清和会の政敵であった田中首相は、曲がりなりにも、自身が貧しい戦後庶民の「豊かになりたい」との思いを代弁する存在だと印象づけたことが、強固な政治力の根底にあったのではと思いますし。