紛争の残念な相手方等をマスメディアで見かけることについて
先日、県内向けの某番組を見ていたところ、数年前に携わった訴訟で相手方となった男性が「その分野の専門家」という肩書で出演しているのを見かけました。
事案の内容は言えませんが、その男性は、当方が訴えた裁判の被告で、代理人を依頼せず本人が出廷して当方の訴えを争う姿勢を示していたところ、裁判所の勧めもあり、当方依頼主が早期解決を優先させて大幅に譲歩した和解をしたという事案で、依頼主からは、人格や振る舞いに問題がある方だ(いわゆるモラハラ系)との説明を受けていました。
で、訴訟の場でも、慰謝料を支払わないとか他の支払項目についても収入がないと主張して法律上定められた債務を実務上の相場観から大幅に減額させるなど、自分の要求のほとんどを認めさせたにもかかわらず、和解条項などの最後の詰めの際に私や裁判官に対し散々に悪態を付いていたことが強く印象に残りました。
ちなみに、私の約15年の弁護士歴の記憶では、法廷で露骨に悪態を付いたのは、この御仁と某探偵業者、東京高裁で有罪判決直後に暴れ出した某被告人の方の3名だけです。
さすがに、番組での他の出演者とのやりとりの際は普通に振る舞っておられましたが、時折、当時、ラウンドテーブル法廷で散々悪態を付いたときの目とあまり変わっていないように感じるところもありました。
もちろん、その方とも当方依頼主とも訴訟終了後は接点がなく、予断で物事を述べるつもりもありませんので、むしろ、男性が様々な方と関わりを持ち、ご自身の問題と向き合って謙虚な振る舞いを身につけているとのことでしたら、そうあって欲しいと思っています。
この件に限らず、田舎のしがない町弁をしていると、ごく稀にですが、地元レベルで著名な方の私的領域に関わったり、事件の当事者の方などを後日に地元の著名人としてメディア等でお見かけすることがあります。
当然、守秘義務が強く及ぶエリアですので、具体的なことを書くことは一切ありませんが、地元メディアで時折見かける著名人男性に関し、知人女性との不倫絡みの話を伺ったこともあり、そうした方の記事を見ると、どうしても、女性の方が、その男性との交際で非常に苦しんだという話を伺ったのを思い出さずにはいられないことがあります。
県民が100万人以上もいるとはいえ東京時代と比べると色々な意味で狭さを感じることが多く、私自身も自分が気付かないところで「目」に晒されているのかもしれないという気持ちで、襟を正していければと思います。