被災地・被害地の最近の法律相談とメンタル問題

先日、福島の浜通り(津波被災地であると共に、原発被害地でもある)で活動されている弁護士の方のお話を伺う機会があったのですが、その方は、現地の方々の多くが、メンタル上の問題(疾患等)を抱えた状態にあるということを強調されていました。

とりわけ、土木工事等が本格化している岩手・宮城と異なり、いつまでも先が見えない状態が続き過ぎているため、気持ちの面で挫けてしまう方が少なくないのだそうです。

また、原発賠償金を生活再建とはかけ離れた用途(パチンコ代等)で浪費してしまう人も一定数いるという話も出て、その原因として、そうした自身の将来の見えない状態が続くことが心を蝕み、そうした方向に流されることの原因になっているのではないかとのお話もありました。

岩手でも、震災から間もない時期には、義援金等をそうした用途に費消している被災者が一定数見られるという話題が出ていましたが、震災1年目頃のことで、さすがに現在では全くと言ってよいほど聞きません。

それだけに、そうした話題が現在も出ているという福島の現状には、時が止まっている(原発のせいで時が止められている)かのような印象を受けます。

ただ、現在の岩手の被災地でも、メンタルの問題を抱えた方が少なくないという話題は、よく出ているように思います。私自身、震災直後から月1、2回の頻度で沿岸に通い、2年ほど前からは法テラス気仙の担当をしていますが、メンタル面の問題を抱えた方から相談を受けることは珍しくありません(自己申告がされる場合もありますし、一見してそうした印象を受ける方も少なくありません)。

そうした「比率」は、盛岡よりも遥かに高いと感じますし、震災直後には、被災地でもその種の問題を抱えた方の相談を受けたことはほとんど無く、年を追うに連れ増えてきているという印象はあります。

ざっとした印象論ですが、街全体が巨大土木工事の現場となって変貌を遂げつつある中で、そうした「新たに出現する街」に感情移入できず、まして、そうした営みからは疎外されている一部の高齢者や若者など(いわゆる弱者層)に、メンタル面での問題が生じているのではないかと感じます。

その点で、少なくとも岩手の被災地では、そのような層に疎外感を抱かせることなく、震災後の社会の一員、担い手であるという意識を涵養する工夫、仕組みなどが、強く求められているのではないかと思います。

相談内容に関しては、震災そのものがダイレクトに論点になっているもの(震災関連死とか私的整理GLのようなもの)は少ないものの、何らかの形で震災が関係しているものは珍しくないと感じています。例えば、企業関係のトラブルなども、震災後に復興等のため立ち上げた事業や法人に関する話であることが多いように思われます。

ところで、先日の法テラス気仙の担当日には、盛岡では著名なラーメンチェーン店「宝介」の大船渡店に初めてお邪魔したのですが、同店のみのオリジナルメニューである「さんま味噌ラーメン」をいただきました。

食べてみて驚きましたが、大船渡の有名店「黒船」のような「サンマで出汁をとったラーメン」ではなく、サンマそのもの(一本のサンマをグツグツに煮込んでいるようです)というか、サンマの味が全面に出ており、「ラーメンの形をしたサンマ」を食べているような感じでした。

私は、サンマの匂いが苦手な人にはあまりお勧めしませんが、反面、サンマが大好きな方や、「他のどこにもないようなサンマ味のラーメン」を食べたいという方は、一度、召し上がって損はないと思います。写真はありませんが、こちらのブログをご覧いただければ、イメージが掴みやすいと思います。
http://sanriku-ofunato.blogspot.jp/2013/05/blog-post_654.html

最後に、食後に赤崎エリアから撮影した大船渡湾と、尾崎岬から太平洋側を撮影した写真を掲載して、締めくくりとさせていただきます。

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