三峡下りと船舶事故
GW直前に受任した破産管財事件が、集合債権譲渡担保の処理など様々な論点を含み多様な作業を必要としたこともあって、1ヶ月ほど一杯一杯の状態が続き、ブログの更新も滞っています。
ところで、本日、長江の三峡下りに従事していた大型客船が竜巻のため転覆したというニュースが流れていました。私は、司法修習生だった平成11年の夏に10日間ほど一人で中国を旅行し、三峡下りの船にも3泊4日で乗船したことがあり、ネット上に表示された被害船舶の写真を見たところ、私が乗船した船とよく似ていました。
http://www.jiji.com/jc/d4?d=d4_rr&p=cho506-jpp019323700
私が乗船した船も、裕福な外国人向けの豪華客船ではなく一般の中国人向けの船舶で、船内では毎日、他の多くの乗客と同様に、朝昼晩とも一食50円ほどの「豚肉と野菜の炒めご飯(丼)」などを食べていました(平成11年ですので、中間層の経済力も現在とは大きく異なると思われます)。
船内では、大人4人仕様の2組の二段ベッドが付いた部屋で、「男児を連れたお父さん」、「小学生の女の子を連れたご両親」という2組のご家族と3日間同宿することになり、小三峡や張飛廟など幾つかの途中下船ポイントで一緒に行動したり、ささやかながら筆談で会話したり(女の子はとても礼儀正しく感じのよい子で、将来、警察官になりたいと言っていました)、中国語を一切話せない外国人の私に対し、とても親切にしていただいたことをよく覚えています。
当時は、今と異なり「反日報道」なるものを聞くこともなかったせいか、私の経験した範囲では、日本人という理由で拒否的な扱いを受けることは一切ありませんでした。それどころか、バックパッカーの分際で「地球の歩き方」を無くした(某所のリフトで谷底に落とした)ため、夜に到着する終点の武漢での宿泊先の確保に困っていたところ、偶然、直前に船内で知り合った旅行会社勤務(自国民ツアーの添乗業務中)の若い美人女性の方に宿泊先を紹介いただいたり(そのツアーの宿泊先のホテルに同行させていただきました。さすがに、都合のいいラブロマンスには恵まれませんでしたが)、短い旅行期間中に何人もの方に大変暖かく接していただいたと記憶しています。
もちろん、いわゆる三国志バカの端くれとして、三峡などの美しい光景にも大変満足して帰国したことは、言うまでもありません。
そんなわけで、現在も懸命な救助作業が続いているかとは思いますが、可能な限り多くの人命が無事であって欲しいと願っていますし、それと共に、日中間を巡って長い間残念なニュースが続いていることについても、民間レベルの交流促進など、好転に向けた取り組みが拡がってくれればと強く願っています。