快晴の安比に潜む妖怪「わすれん帽」に今も昔も取り憑かれた男
去年の秋に安比に行く機会があり、リフト前売券を1枚だけ買っていたのですが、行く余力がないまま本日に至ったので、通常コンディションで滑れるのは今日が最後だろうと、腹を括って行くことにしました。
昔に比べると雪質は良いとは言えませんが、数日前の大雪後の晴天ということもあり、概ね問題ないコンディションでした(深夜3時まで事務所で仕事したせいか、寝坊して昼近くに着いたのが悔やまれます)。
やはり、快晴の日に来ると、「安比に行かない岩手の冬なんて」とか「こんな日に安比に来ないなんて、あなたそれでも岩手人?」などと、どこかで聞いた言葉をもじりたくなってしまいます。
ただ、好事魔多しといいますか、今日は驚くべき事態が発生してしまいました。帰宅して車の後部座席を見たところ、スキー板とストックを持ち帰るのを忘れてしまったのです。
愚かにも、自車にスキーを立てかけておきながら靴だけ履き替えてスキーを車内に入れるのを失念して出発するなどという、先日の最高裁判決が人ごととは思えない夢遊病級の失態をしてしまったようです。
幸い、スキー場に問い合わせたところ、ほどなく発見していただき、着払いで発送していただけることになりました。
ちなみに、このスキー板ですが、18年前に指導官(検察庁での修習生の監督役)だったO検事のご推薦により当時は大通商店街にあった石井スポーツにて購入したロシニョールの板で、ストックはO検事が「ストックを買い換えたから、古いやつを修習生の誰かが買わんか」と言われて購入したものでした。ちなみに、その際に「オマケにこれも付けてやる」とタダで頂戴した紫のフリース衣料を、今日もウェアの内側に着ていました。
修習生の頃は、中3(か高1)に購入したイケてないスキーウェアの上に、修習1年目の冬にインドネシア(ジャワ島のジョグジャカルタ)で購入した、寝具用と思われる「ちゃんちゃんこ」風のフード付き衣類を羽織って滑っており、誰からも「その格好はヤバいから止めろ」とストップが入らなかったので(実際、色合いなどは違和感ありませんでした)、何年も、そのスタイルで続けていました。
が、現在では家族から強硬なクレームが入り、今はやむなく普通のスキーウェアを買って着ています。
昔から、一般的にはスキー板や靴の寿命は5年程度と言われ、それ以上を過ぎるとプラスチックが割れると聞いていますが、今のところ、板にも靴にもヒビらしきものは見えません。まあ、2年前まで10年近くブランクがあったほか、修習後は年に3回程度しか行けてないことが、延命の理由かもしれませんが。
そんなわけで、いつ買い換えるべきかと悩みながら放置し続けてしまったのですが、こんな事件まで起きてしまったので、もう、滑走中に空中分解するくらいの事態が生じるまでは使い続けようかなと思っています。
そういえば、修習生のときも、買った直後の「メガネの曇り防止のためのファン付きゴーグル」を昼食後にザイラーレストランに忘れ、ゴンドラから滑り戻ったところ神隠しに遭っていた(しかも、電池を入れないとファンが回転せず曇り防止にならないことを修習生の誰かに食事中に指摘され、結局、曇り防止機能を一度も使うことなく昇天してしまった)という出来事があったことを思い出しました。
あの日も、安比の太陽がとても眩しかったような気もします・・