聴覚障碍者の端くれとして
NHKで、聴力は正常でも雑音の多い場所では必要な音や話を選び取れず、理解できなくなってしまう「APD(聴覚情報処理障害)」という症状に関する記事が出ているのを拝見しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210708/k10013125531000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002
私は左耳の聴力が全くないため(右は健常です)、会議・会合などでは左方向からの発言などを聞き取ることが容易ではありません。
とりわけ宴会など騒がしい場では、左側の人々の話の輪を聞き取ることがほぼできないため、なるべく左端に座るか、それが無理なら、諦めて飲食に専念することにしています。
私が宴会(人の集まる場)が苦手で雑談力の低い孤立主義者であることは皆さんご承知でしょうが、或いは、そうした経験の積み重ねも大きく影響したのかもしれません。
引用の記事で紹介された症状(病名)は初めて知りましたが、広義の「聴覚障碍者」には、全面的な失聴者(いわゆる聾者)だけでなく、私のような片耳だけの失聴者のほか、記事のような症例の方もおり、決して「自分とは接点のない遠い世界にいる(から、そのような存在など眼中になくてよい)人」ではない、ということは、もっと知られてよいことだと思います。
そんなわけで、聴覚障碍者の方々に、本業を活かした何らかの支援云々ができればと昔から思っていますが、20年経った今でも、その種の機会に全く恵まれません。
昔々、何の接点もなかった日弁連廃棄物部会の門を叩いたときのように、自分で探して無理矢理に飛び込んでいくべきなのでしょうが、事務所の維持に一杯一杯の日々で、ぼちぼちエネルギーの低下も感じる年頃になってきており、このまま機会を得ることなく終わってしまいそうな気もします。