受任費用

受任費用

一般的規定

裁判などの報酬算定の目安

当事務所では、岩手弁護士会が設けてきた報酬規定をもとに費用を定めています。訴訟に関する一般的な報酬基準は次のとおりです。
「経済的利益」は、訴訟での請求額や目的物の金額を指しますが、双方の主張額の差額を目安とする場合もあります。
事案の内容や日弁連の統計情報などを踏まえて一定の修正をすることが多く、詳しくは弁護士と協議の上で定めることになります。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下 8% 16%
300万円を超え3000万円以下 5% + 9万円 10% + 18万円
3000万円を超え3億円以下 3% + 69万円 6% + 138万円
3億円を超える 2% + 369万円 4% + 738万円

※上記金額に、別途、消費税が掛かります。

相手方への通知や簡易な合意書の作成などで完結する業務

簡易な通知(内容証明郵便)や文書作成などは、3万3000円~5万5000円ほどで対応しています。
例えば、売掛金・貸付金の請求書、債務の消滅時効やクーリング・オフなどを主張する通知書を弁護士(代理人)名義の内容証明郵便により送付するケースや、一定の約束事について当事者間で合意書を作成しておく場合に、ご利用ください。
このような場合、独力で書面を作成される方も少なくありません。ですが、法的に不備のある内容の書面では、後日に紛争が生じ裁判等を余儀なくされた場合にご自身の主張の裏付けとして機能しないなど、作成時のご認識にそぐわない結果が生じ、予想外の損失を被ってしまう恐れがあります。
確実を期すためにも、事前のご相談をご検討下さい。

一定の交渉、文書作成、事件等の受任における準時間報酬制

当事務所では、一定の従事時間を要する交渉や文書作成、経済的利益による費用算定が困難な事件のご依頼を受任する場合には、時間報酬(タイムチャージ)に準じた方式とさせていただくことが多くなっています。
現在は、弁護士の業務について1時間2万2000円(交通事故などの弁護士費用保険で用いられている単価です)を原則とし、業務の性質等に応じ一定の成果が見られる場合は、相当な報酬を加算させていただくことがあります。
詳細は、次の文書をご確認下さい。

→交渉、文書作成、訴訟等の受任における準時間報酬制について

法テラスのご利用について

収入・資産が一定の額を下回る(無職等を含む)方は、法テラスの報酬基準に基づく費用立替制度に基づいて受任することも可能です。
「法テラス」のホームページで資力要件などをご確認下さい。
なお、「勝訴の見込みがないとは言えないこと」などの利用条件があります。

個人の債務整理

個人の方の債務整理は、岩手弁護士会消費者問題対策委員会の指針に基づき料金を定めています。
主要なものは次のとおりであり、分割払いも可能です。詳細は、ご来所の際に債務整理の報酬規程をもとにご説明します。

基本費用

消費者金融に関する任意整理 基本額 1件あたり 2万5300円(原則)※1 ※2
個人の方の自己破産・免責申立 22万円~33万円 ※3
個人の方の小規模民事再生等 25万3000円~33万円 ※3

成功報酬(別途、消費税が掛かります。)

引直計算に基づく減額報酬 なし(特段の事情がある場合を除く)
過払金回収に基づく回収報酬 原則、回収額の1割(訴訟外)~2割(訴訟) ※4

収入や資産が大きくない(又は無職等の)方は、法テラスによる援助制度(費用立替)の利用も可能です。
「法テラス」のホームページで資力要件などをご確認下さい。

<注(※)>

  1. 完済後の過払金請求も原則として任意整理と同一の料金で受任いたします。
  2. 引直計算を要しない場合(年利18%以下)やお客様が引直計算データ(エクセル)を持参される場合は、原則2万2000円で受任いたします。
  3. 自己破産・個人再生は、申立実費を原則として含みます(法テラス経由では実費はお客様負担です)
  4. 訴訟に際しては、原則として、事前に着手金3万3000円と実費(収入印紙、予納郵券等)1万7000円程度のご入金をお願いしております。(清算時、上記の回収報酬から着手金分の金額が控除されます。)

破産手続における自由財産拡張制度について

破産手続では、債務者の生活再建を図る見地から、原則として99万円を上限として預金や保険返戻金などの資産を債権者への配当に用いずにご自身の手元に残しておくことが認められています。自由財産となる資産をお持ちの方は、適切な方法で生活再建を図るためにも、お早めにご相談下さい。

企業(法人・事業者)の破産申立、廃業や再建の支援など

自己破産申立の受任費用

受任費用は企業の規模・内容により大きく異なります。(負債の額以上に、適正処理のため必要となる業務の質や程度を重視します)
多数の従業員を擁し、様々な資産を有する相当規模の企業が倒産を余儀なくされる場合には、複雑な事務処理が必要になり手続も長期に及ぶため、100~200万円程度をご負担いただくのが通例です。
小規模な企業で事業閉鎖に伴う対応の質・量がさほど大きくない場合は、40~60万円程度でお引き受けしています。
役員・連帯保証人の方の自己破産を同時に申し立てる場合には、申立を行う方の費用が別途、必要となります。

破産手続における裁判所予納金(管財事件)

会社や資産のある方の破産手続では、管財人(弁護士)の選任が必要になり、裁判所への申立の際、負債の金額に応じて、50万円~200万円程度(負債額が5億円超ならそれ以上)の予納金の支払が必要になります。
この場合、申立代理人費用と予納金の合計額が必要となり、ご準備の都合上、なるべく早期にご相談を開始していただく必要があります。
破産申立の時点で資産が全くない小規模な企業は、平成20年頃までは管財手続をせず処理すること(同時廃止)が認められていましたが、現在は法人・事業者はすべて管財手続が要求されます。このようなケースの予納金は、20~30万円程度が原則とされています。

裁判外の手続による廃業支援・経営者保証に関するガイドラインなど

会社を廃業するものの、資産がなく費用のご準備が困難であるなどの事情で、法的手続を執ることができないケースでは、破産等の手続に代え、一定の対処を受任することがあります。
例えば、保証債務を負う役員の方の自己破産を申し立てる一方、会社については若干の手数料をいただき、債権者に事情説明の通知を行うなど事業閉鎖のサポートを行う対応をとっています。
平成25年に中小企業庁などの主導で策定された「経営者保証に関するガイドライン」は、銀行等にのみ高額な債務を負っている企業と連帯保証人たる代表者などが、適切な方法で相応の弁済を行うことと引き替えに、ご自身の自己破産を回避すると共に、破産のルール(99万円)を上回る資産を保持することができる制度として機能しています。当事務所では、この制度を用いて、相当な弁済を実施しつつ高額な自宅を維持するなどできた受任例があります。
例えば、新型ウイルス禍などで経営継続が困難となった方が、「銀行以外にほとんど債務がない」という場合、非常に活用の価値がある制度です。企業資産が枯渇する前に、早期に対処することが利用条件になっている面がありますので、該当する方はお早めにご相談下さい。

企業の民事再生手続

企業再生は、裁判所・監督委員への手続や様々な債権者との折衝など、複雑な対応が代理人に求められることが多く、着手金や予納金も、破産手続よりも高額にならざるを得ないことが通常です。詳しくはご相談時にご説明いたします。
初動段階でも様々な対応が必要になりますので、より早期のご相談をご検討下さい。

事業再生支援など

上記「経営者保証ガイドライン」は、事業を閉鎖する場合だけでなく、事業継続を希望する方が融資支援などを得るため相応の条件を整えることを前提に利用できる制度にもなっています。
現在は、企業存続型の支援は、東京の一部の弁護士を除き、公認会計士や税理士、金融機関の関係者などが従事することが多いようですが、地元の弁護士に経営再建策の検討や金融機関との交渉支援をご希望の際は、可能な範囲の支援を行いますので、ご相談をご検討下さい。