北奥法律事務所

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05月

宮古に咲き続ける桜と、草木も生えない?町弁道の短歌集

6年ほど前、月1回のペースで宮古広域振興局の法律相談を2年間担当していました。

が、この「沿岸広域振興局が開催する無料相談」は、何年経っても主催者である県庁をはじめ、誰も真面目に宣伝等をしてくれず、震災後間もない時期も含め、私が関わった担当日は、ほとんど毎回閑古鳥で、全く予約がなく内職だけして帰る日も珍しくありませんでした。

当時も(事務所では)多数の案件を抱えて起案をこなすのに負われ、仮に宮古でも依頼が殺到すればパンクになりかねない有様でしたので、私自身、恥ずかしながら、内職起案ばかりで帰る日々を変えようとする努力をしたわけではありません。

が、当時は、沿岸には震災等で苦しむ多数の潜在的相談者がいるはずなのに、ハコ(相談所)だけ作って宣伝もしなければ相談者の開拓(地元ネットワークの活用)もせず人々を弁護士相談に繋げるようとする努力が全くみられない、役所ほか関係者の無為無策っぷりに唯々腹立たしさを感じるばかりでした。

私にもう少し余力があれば、「勿体ないから困っている人達を連れてきて」と様々な関係機関・民間団体などに働きかけることもできたのではと悔やむ面はありますが、こればかりは何を言っても致し方ありません。

ともあれ、せめてもの慰めに当時は往復の度ごとにインチキ短歌を多数作りましたので、今さらながら載せておきます。

ぼく町弁 徹夜起案後の宮古にて
相談者も無く瓶ドン食べる

これは早世の歌人・萩原慎一郎氏に倣った一首ですね。

早春賦 弁護士会の小言かな

何かゲンナリすることを言われたのでしょうか?思い出せません。

山積みの起案残して
また誰も来ない被災地相談に行く

今日もまた閑古鳥鳴く港にて
瓶ドンに問う我いらぬかと

通えども空回りしたこの8年
やりがい搾取か身の非力さか

盛岡にもさほど居場所は無き身にて
浜で独りはさらにさびしく

このあたりは、当時のがっかり感がしみじみと伝わってきます。

宮古には嫌われたのか
月山もこの有様よ
負けてたまるか

その日は重茂半島のシンボル・月山展望台に向かったのですが、頂上付近の道路が工事中で立入禁止になっていました。

対岸を埋め尽くしたる長城を
鳥と眺めて砂ふみしめる

収容所の壁のような防潮堤を眺めるたび、これで良かったのかと感じずにはいられません。

この店もあの日は黒に呑まれたり
共に闘う人ぞ恋しき

これは、宮古湾そばの「海舟」で瓶ドンを頂戴したときに作った一首だと思いますが、海舟さんは残念なことに数年前に倒産・閉業してしまいました。

避難所で眩しく見えた花びらは
今年もひとを癒やし続ける

私は、震災直後にも沿岸の避難所相談に何度も赴き、様々なお話を伺いつつ、瓦礫のそばで佇む満開の桜を眩しく感じていましたので、当時を思い出しつつ詠んだのでしょう。或いは、宮古小学校前の桜並木を見ながら作った歌かもしれません。

当時は写真を添えてFBに投稿していましたが、写真を探し再掲する余力がなく、投稿のみでご容赦下さい。

生演奏付き例会はアンサンブルで

最近は過去にFBに投稿した内容のブログ転載が精一杯となっており、昨年の話で恐縮ですが、市内大通の「アンサンブル」さんにて、オムカレーをいただきました。

ライブ演奏のあるレストランとして市内では昔から著名なお店で、名前だけは知っていましたが、私が夜の街にご縁がないこともあって、在住約20年目にして初めて伺いました。

店内の奥にライブ演奏のステージがあるのですが、食事をいただこうとしたところ、それまで隅の席で書類仕事をなさっていた熟年のご婦人がおもむろにピアノに着席され、我々が食事を終えるまで数曲、演奏いただきました。

「おねだん以上」の貴重な経験に大変満足して、お店を後にしました。

私が所属する盛岡北RCは、以前は、重鎮女性会員のTさんのとても上手な生演奏でRCソングを斉唱していたのですが、Tさんの引退後は他のRCと同じく録音再生のみとなり、味気なく感じていました。

現在の当クラブの例会出席者は、このお店の収容で十分間に合う規模なので、高級ホテルの最上階の大広間を贅沢に使う例会もさることながら、いっそ、このお店に例会場を移して水曜の昼は当クラブで借り切り、お店の方の生演奏で斉唱したり、演奏を拝聴しながら食事をいただく方が、よほど優雅な例会なのでは・・と思ったりもしました。

ともあれ、悔いの残らないうちに、一度、夜の部もお邪魔してみたいと思いますが、その前に、あの仕事もこの仕事もその仕事も終わらせないと・・

国会議員批判を巡る議論と処方箋(劇薬?)としての間接選挙制

先日の衆院補欠選挙は、現在の政権与党ないし国政(社会情勢)への批判票が反映される結果となりました。

岩手でも数ヶ月前に自民党の国会議員さんに残念なニュースが連続して生じ、Web上では国会議員の数や報酬が過大ではないかとか、議員のリコール制度がなくてよいのかといった議論がなされていたように思います。

ただ、小選挙区制で単純に議員数を減らすと、一人一票の原則(投票価値の平等)の関係で今以上に選挙区割が困難となるでしょうし、まして参院では複数の県に跨がる選挙区が必要となり、「オラの県の議員」を選出することすらできなくなると思われます。

いっそ、国民は各選挙区で「国会議員を選ぶ(選解任する)だけの役割を担う人」(選挙人)を何人か選び、選ばれた選挙人達(例えば、国全体で2000人程度とか)の投票で、数十人~100人以内の国会議員を選ぶものとすれば(間接選挙制)、一人一票の原則を守りつつ、議員の大幅削減ができるように思われます。

政治資金を巡る諸問題(自民系を中心に国会議員の活動にカネがかかりすぎるとか、それを言い訳に不透明なカネが作られすぎる云々)も、間接選挙制であれば、かなり変容するというか、一定のリスクはあるにせよ、「国会議員が選挙区民から支持を集めるため、あまりにも様々な雑事にカネを必要とせざるを得なくなる」という現在の慣行を抜本的に変えることはできると思われます。

野党勢力に政権を任せるのは無理だろうと感じつつ、自民党に「もっとお灸を据えたい」と思っている方々や、現在の国会議員を巡る諸制度に閉塞感を感じたり、こうした制度の思考実験に関心のある方は、半年前に書いた下記の投稿もご覧いただければ幸いです。
国会を少数精鋭の府に~歳出削減と定数不均衡の一挙解決策としての間接選挙制~ | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)

余談ながら、私も最近は老化等の影響でこの種の投稿をするのが激減しましたが、近時のfacebookを拝見していると、ジャスミン革命のインフラと称賛された昔日の姿がすっかり色褪せて、アホンダレインチキ広告群にまみれて劣化し、パブリックフォーラムとしての機能も失いつつあるように見えるのを、とても残念に感じています。

万物の尊厳を志し、何もできずにはや8年

本日は憲法記念日です。

8年ほど前、人にあらざる存在の尊厳(万物の尊厳)を日本国憲法に取り入れたい(現行憲法に新設13条の2を追加する改正案)と思い立ち、FB上で何度か投稿してきました。

いつかはそれを世間に問う本を出版してみたいと思いつつ、仕事と諸事に追われ何もできずに時間を徒過し、そのまま寿命を迎えてしまいそうです。

先日の世論調査でも、与野党・国民全体が幅広く合意できる、未来に希望を示す憲法改正を国民が望んでいることが示されており、万物の尊厳の新設こそがそれに相応しいと確信しています。

以前に掲載した引用の投稿なども読み返し、今年こそは原稿を書き始めてみたいと願うばかりです。

万物の尊厳を掲げる憲法改正を岩手から(前編) | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
万物の尊厳を掲げる憲法改正を岩手から(後編) | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
司馬遼太郎氏も語っていた「万物の尊厳」 | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
憲法記念日に考える「万物の尊厳」と書籍出版を夢見る日々 | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
万物の尊厳を掲げる憲法を世に問えるのはいつの日か | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
憲法記念日が来るたび、万物の尊厳を掲げる憲法を願って | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)

東京五輪の「違法な弁当大量廃棄」と食品ロス削減推進法などの改善を求めて | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
アイヌとイスラムの異同を踏まえて日本と人類の未来を論ぜよ~函館北方民族資料館の呼ぶ声~ | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)
人が関わる生き物の尊厳ともう一つの憲法改正論 | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)