前日に引き続きシンガポール旅行の2日目について、簡単に触れさせていただきます。
今回は、H.I.S.社を通じて旅行を手配した方なら無料で参加できる市内の名所巡りツアーに参加し、①ベイサンズの隣にある、最近話題の人工巨大ツリーなどを擁する最新型庭園(ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ)、②マーライオン周辺、③チャイナタウン(仏教寺院)、④インド人街(店舗群)、⑤アラブ人街(イスラム寺院)を昼食付きで午後2時過ぎ頃まで巡る、駆け足の弾丸ツアーに参加しました。
①の庭園(植物園)では、6階建てくらいの塔の周囲を草木で取り囲んだ施設(グランドフォレスト)に案内されましたが、ラピュタ上層部の雰囲気によく似ており、最初に登場する大型の人工滝も含め、このような施設は日本には今のところ存在しないでしょうから、そうしたこともあって大変見応えがありました。
残念ながら、2日目・3日目に使用したデジカメを帰国時に紛失してしまい、携帯写真は数も多くない上、容量の関係(2メガ制限)でブログに掲載できないものが多いので、シンガポール・ナビのサイトでご覧下さい。
http://singapore.navi.com/miru/142/
そういえば、修習生時代(平成11年頃)に裁判所の研修で、なぜか小岩井農場に連れて行かれたことがあり、その際、同社の緑化事業などを解説していた担当の方が「当社は三菱グループの企業なので、三菱地所が丸ビルの立替(現在の新生丸ビル)をする際に、丸ビルに人工の滝を作る計画があったものの予算の都合で頓挫した」というお話を聞いて「いかにもバブルちっくだな~」と感じたのを妙に覚えています。
ただ、こうした施設や中心部にある「森に覆われた超高級ビル(ホテル)」など(こちらのサイトもご参照)の光景を間近に見ると、あの頃にそうした施設を東京駅の真ん前に作っておけば、世界に日本の技術力や緑化思想をアピールし、その後の世界で高級建築物の受注競争をリードすることもできたのでは?などと、余計なことを思わないでもありませんでした。
②のマーライオン周辺は、真っ正面にそびえるベイ・サンズをはじめ、現在のシンガポールの高層建物群が港湾を囲んで林立する様子を体感でき、像そのものはともかく、これがかつて「世界三大がっかり名所」と呼ばれたことが信じられないという場所でした。
③のチャイナタウンは、バズの窓から街をざっと見た以外は停車場所となった著名な仏教寺院しか拝見できませんでしたが、雰囲気は楽しめました。大戦前から多くの華人が本国から移住していたということもあるでしょうが、こうして大規模な仏教寺院が多く残っているのは、本国と違い文化大革命による迫害を受けなかったことも影響しているのだろうかなどと、あれこれ考えさせられました。
余談ながら、近くには国が供給した高層マンションが建ち並んでいましたが、日本では恐らくアウトと思われる「ベランダの外に竿を出して衣類を干す鯉のぼり光景」が多く見られました。スコールはあっても強風(台風)がない土地柄だからなのかもしれません。
④のインド人街では、狭い路地の商店街を案内されましたが、日本で過去に流行ったルミナリエ(神戸は行ってませんが東京は見ました)のような飾りが通りに掛けられていたことが印象的でした。
⑤のイスラム寺院は、衣類に関する制約(女性の肌の露出禁止)から、大半の女性がイスラム礼拝用の衣類を纏って院内に入っていましたが、それがかえって「無料の民族衣装着用会」の様相を呈し、着用した観光客の皆さんは喜んで写真を撮りあっていました。
いっそ、日本の神社仏閣も「和服を着ないと立入禁止」にして、拝観時には羽織って着用できる簡素な衣類を無料で貸し出せば、かえって観光客が殺到などということもあり得るかもしれません。
個人的には、プラナカン文化(主に、出稼ぎ華人男性と現地マレー人女性との婚姻により、双方の文化が融合して生じたもの)を拝見する時間が欲しかったのですが、10時から14 時までの食事付き弾丸ツアーということもあり、バスで建物群をチラ見しただけで終わってしまいました。
ともあれ、このように大英帝国の植民地時代(戦前)から形成されてきた各移民(華人、インド人、周辺諸国からのマレー人=イスラム教徒)が培ってきた文化が保全された地区を拝見した後、最後に現代に戻ってベイ・サンズで解散となり、私にとっては「お目当ての一つ」であるホテルの展望台(プールは宿泊者専用なので無理)に行きました。
もちろん、庶民にはこれで十分という素晴らしい眺望を堪能して下界に戻りましたが、しがない田舎の町弁家族は土を離れては生きられないのか、家族から再度のギブアップ宣言が出て、その後にお約束のようにトラブルが発生しました。
幸い、翌日には解決したこともあり、詳細は差し控えますが、宿泊先のホテルには大変ご迷惑をお掛けし、またお世話になりました。
ちなみに今回の宿泊先は、H.I.S.から「家族全員で同じ部屋に泊まれるのはここだけ」と紹介されたマリーナ・マンダリンという立派な吹き抜け(アトリウム)のある高級ホテルで、多少の年季は感じさせるものの、大変快適に過ごすことができました。ただ、日本との比較で1点だけ残念な点があり、その点は次回に触れます。
ともあれ、超駆け足とはいえ横の多様性(諸民族の集合体)と縦の多様性(伝統の保全と超現代的な建造物群の併存と調和)の双方を体感できた、貴重な一日になりました。