北奥法律事務所

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亀が池

ウソと桜と沈黙?の春

4月に盛岡市内(桜山の亀が池)の桜を拝見したときに感じたことです。

平成20年代前半は、ウソという小鳥による桜の食害が大きな話題になっており、当時、花が全然咲いていない桜木や鳥が花芽を食べている光景を見た記憶もありますが、ここ数年、岩手では嘘のように全く聞かなくなりました。

ウソは通常は冷涼な高地に棲息し、冬季のみ平地で越冬するとのことですので、食害がない=開花直前期などにウソが街からいなくなったのは、或いは、温暖化の影響で、冬のうちに山に戻った(里に来なくなった)のかもしれません。

ただ、温暖化等の影響でウソそのものが減少すると、彼らの主食である森林の害虫までもが放置され森林荒廃などのリスクが増大することになります。

ウソ食害と入れ替わるように、海では三陸の伝統的な魚種が(北方海域などに)消えてしまったという報道を聞くようになって久しいですが、海だけでなく山の世界も、生態系の混乱など、信じられないような事態が生じているのかもしれません。

或いは、美しい桜の姿も形を変えた「沈黙の春」の前兆なのかもしれず、皆さんも、花びらの先にそのような事柄も見つめていただけばと思っています。

そういえば、私、岩手弁護士会の公害対策環境保全委員長でしたね・・・本当ですよ。何もしてませんけど。

岩手県庁の桜と大地の涙

1ヶ月前の石割桜の時期に、受任事件の閉廷後に盛岡東警察署に赴いた際、折角ということで、途中にある盛岡城址・亀が池周辺の桜を拝見しました。

岩手県庁をバックに桜が美しい姿を見せていますが、私は現在、岩手県庁を被告とする訴訟(旧県立K病院が借地である敷地内に埋めた膨大なゴミの撤去費用等を請求する訴訟)の原告代理人を務めており、ちょうど、県側の主張への反論書面に悪戦苦闘していました。

というわけで、折角の桜を見ても、庁舎が目に入ると、恨み言のように?余計な一首しか浮かんできません。

花愛でる言葉の裏で地の底に
ゴミ捨て片付けせぬ岩手県

この恥を県民なにも言わずとも
天が大地が花が見ている

ガン、ガン、ガン、ガンラ~イザ~♪(苦笑)

この頃はまさに締切に負われている最中で、先方が

「当時の病棟をK町(基礎自治体)が作って県立病院に運営委託しており、町は県に業務報告を求めることができるので、病院(受託者)のゴミの埋設を町(委託者)が知っていたと擬制される(ので、土地の買主たるK町は県に責任追及ができない)」

などと主張書面に書いているのを見ると

「その理屈なら、県知事自身が、報告徴収権を有する各種事業者(廃棄物処理業者、病院など)の違法行為に対し、何ら責任追及できなくなってしまうじゃないか。そんな主張を県庁が自らするなんて、正気か?」

などと(言葉を選んで)書かずにはいられないのですが、県政を巡る重大事件であることは間違いなく、こうしたやりとりに限らず、事件の内容について報道等で県民に伝えられるべきでは・・と思ったりもします。

報道対象になる事件を受任する都度、記者さん達の長時間に亘る取材要請に応じて精根尽きるほど?説明することが何度もありましたが、記事を見ると「この人、訴状提出してました」程度のことしか書いてくれず、何のために当方を消耗させるほどあれこれ聞いてきたのだろう、と残念に思うことが多いのです。

それはさておき、このエリア(亀が池)の景観自体は、病院廃棄物・・・ではなく周囲の電線を地中に埋めた方が、もっと映えるかもしれません。

(以下、次号)