北奥法律事務所

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国会議員

国会議員批判を巡る議論と処方箋(劇薬?)としての間接選挙制

先日の衆院補欠選挙は、現在の政権与党ないし国政(社会情勢)への批判票が反映される結果となりました。

岩手でも数ヶ月前に自民党の国会議員さんに残念なニュースが連続して生じ、Web上では国会議員の数や報酬が過大ではないかとか、議員のリコール制度がなくてよいのかといった議論がなされていたように思います。

ただ、小選挙区制で単純に議員数を減らすと、一人一票の原則(投票価値の平等)の関係で今以上に選挙区割が困難となるでしょうし、まして参院では複数の県に跨がる選挙区が必要となり、「オラの県の議員」を選出することすらできなくなると思われます。

いっそ、国民は各選挙区で「国会議員を選ぶ(選解任する)だけの役割を担う人」(選挙人)を何人か選び、選ばれた選挙人達(例えば、国全体で2000人程度とか)の投票で、数十人~100人以内の国会議員を選ぶものとすれば(間接選挙制)、一人一票の原則を守りつつ、議員の大幅削減ができるように思われます。

政治資金を巡る諸問題(自民系を中心に国会議員の活動にカネがかかりすぎるとか、それを言い訳に不透明なカネが作られすぎる云々)も、間接選挙制であれば、かなり変容するというか、一定のリスクはあるにせよ、「国会議員が選挙区民から支持を集めるため、あまりにも様々な雑事にカネを必要とせざるを得なくなる」という現在の慣行を抜本的に変えることはできると思われます。

野党勢力に政権を任せるのは無理だろうと感じつつ、自民党に「もっとお灸を据えたい」と思っている方々や、現在の国会議員を巡る諸制度に閉塞感を感じたり、こうした制度の思考実験に関心のある方は、半年前に書いた下記の投稿もご覧いただければ幸いです。
国会を少数精鋭の府に~歳出削減と定数不均衡の一挙解決策としての間接選挙制~ | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)

余談ながら、私も最近は老化等の影響でこの種の投稿をするのが激減しましたが、近時のfacebookを拝見していると、ジャスミン革命のインフラと称賛された昔日の姿がすっかり色褪せて、アホンダレインチキ広告群にまみれて劣化し、パブリックフォーラムとしての機能も失いつつあるように見えるのを、とても残念に感じています。

その「座席」が似合う人、似合わない人

東京都の舛添知事の公費使用や政治資金の問題で、岩手の達増知事が「海外出張でファーストクラスを利用している知事」として報道されるという出来事がありました。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160513_3
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160517_6

弁護士になった直後の平成12年5月頃、勤務先の東京の事務所で関西方面への日帰り出張が3回ほどあったのですが、最初の出張の際に渡された新幹線の切符がグリーン車でした。

2回目の出張からは畏れ多いと辞退したため、それが人生最初で最後?のグリーン車でしたが、このような経験ができたのは、弁護士会の旧報酬規程に「グリーン車」の定めがあったことや依頼主が相応の規模の企業さんだったことが影響していたのだと思います。

10年近く前に仙台である会合に参加した後、新幹線のホームで、その会合に参加されていた国会議員の方がグリーン車に颯爽と乗車されていたのを拝見しました。議員さんは電車には無料で乗車できると聞いたことがあり、それ自体を軽々に批判するつもりはないのですが、同じ会合に出ていた者同士で、かたや税金でグリーン車、かたや自腹で普通車というのも、身分の違いを感じて少し寂しくなりました。

政治家であれ弁護士であれ、受任者にどのような待遇の交通手段を提供するかは発注者(納税者)が決めるべきことでしょうから、私も、グリーン車であれファーストクラスであれ遠慮なく使って下さいと仰っていただけるような依頼主にお目にかかれるよう(それだけ、自分の仕事で大きな成果を上げて依頼主に激賞されるよう)、地道に研鑽を重ねたいと思います。

まあ、田舎の町弁では、そうした「太っ腹なお金持ち」の依頼主との出逢いはあまり期待できないかもしれませんが・・

それはさておき、税金で仕事をなさっている方々の「使い道」のあり方については、報道はもちろんのこと、誰のため、何のために用いるかということも含めて、議論が深まって欲しいと思っています。

(R03.5追記)

先日も、国会議員さんのJR無料パスの目的外使用に関する報道があり、引用の記事を拝見しながら上記の投稿を思い出しました。私が拝見した光景(参加した会合)も、国会議員さんの本来の仕事とは関係のない事柄なので、議論の余地があるのかもしれません。
国会議員特権の「JR無料パス」、公私がグレーな利用実態とは (msn.com)